中卒・専業主婦だった私が北海道で見つけた一歩

人生どん底。
それでも人は生きていてよかったと思える日はくるのだろうか。

今回お話を聞かせてくださったのは、神奈川県横浜市から北海道札幌市に移住をした「エリカさん」。中卒で、これまでたくさんの道を経由して、今幸せいっぱいの家族とこの札幌で住まわれているその「今」についてお話をお聞きしました。

目次

横浜から結婚を機に札幌へ移住

「旦那とはひょんな出会いで(笑)」と笑うエリカさん。

カラオケアプリで出会い、オンラインゲームを通じて仲を深め、交際に発展したといいます。お付き合いが始まり、半年くらい経った頃初めて旦那さまが住む札幌市へと足を踏み入れました。

その時、とっても衝撃を受けたといいます。

「初めて来た時から『住みやすい!』って思ったんです。関東のように暑すぎることもないし、人も優しい。この人と結婚するなら、移住してここで生きていきたいと思いました」

と話し、思い切って移住をすることに。

「地下鉄に乗ってもベビーカーを押したお母さんが入ってきたら、まわりの人が『こっち空いてるよー』って声をかけていたり、そういう姿を見て自分がこどもを生んだ時にここで育児したら…と、育児のしやすさなどが想像できたんです」と当時を振り返ります。

実際に札幌で育児をしてみて、そのまわりの人のやさしさに触れる機会はありましたか?と聞くと「たくさんあった!」と食い気味。

「たとえば、生後半年の息子を抱っこしてコンビニから出るときに、もうすでに先に出てた高校生の男の子が戻ってきてドアをあけてくれたんです。そういう小さなことから、最近だと息子が動きまわってスーパーで買い物ができないって時に怒ってしまったら、まわりの人が『大丈夫だよ』って声かけてくれて…。そういう優しさ、見てみぬふりをしない民度の高さに自分は助けられて今日まで育児をしてこれたと思います」

札幌は育児がしやすい、なんてよく聞く話ですが、特に道外から来た方にとっては夏場は暑すぎず、たくさんある公園で遊ばせることもできる、ぷらっと行ける場所がたくさんあると話す方が多い印象です。

北海道ママのオンラインコミュニティに入り変わっていく自分

そうして母となったエリカさんは、2023年11月に北海道ママのオンラインコミュニティ「neaRlabo(ニアラボ)」に入ります。そのきっかけについても聞いてみました。

「もともとアプリでママ友を探していたんですけど、そのアプリ以外で何か子育て世代のお母さんと繋がれる手段はないかなってインスタを見ていた時にニアラボが出てきました」

誰かと繋がりたいと探していたエリカさんでしたが、ニアラボに入るには少し躊躇もしたそうで…

「ニアラボは規模感がすごかった。たくさんのお母さんが所属していて(2025年10月現在400名)、そのすべてが女性。過去に女性と折りが合わなくてトラブルや揉め事も若い時に経験していたから、いろんな人が集まる場所っていうところに若干の抵抗がありました」

それでも「入ろう」とエリカさんの背中を押したきっかけはどんなことだったのでしょうか。

「まずはニアラボの運営理念などを何回も読みました。その理念に共感できたし、こんな理念を掲げている人が運営しているコミュニティなら大丈夫だろうと決意できたんです」と話します。

ニアラボが大切にしている指針

こうしてニアラボを通してまたエリカさんの人生は進んでいくわけですが、もともと自分のことを「インドア派で人と関わらないタイプ」と話します。しかしそれも少しずつそれも変わってきたようで…。

「横浜で暮らしていた時はとにかく仕事だけ。休みの日はどこも行かない、誰とも会わないって生活で(笑)。自分ひとりの人生の時はこれでよかったけど、こどもが生まれてからこどもにもそういう人との付き合い方をさせるのか?私と同じ人生の歩み方をさせるのか?って考えた時に『ちがうな』って思ったんです」

こどもが生まれて、たくさん自分と向き合ってきたエリカさんが出した答え。それは息子さんのことをしっかりと考え抜いた結果でした。

インドア派で、あまり人とは関わらないようにして生きてきたと話しますが、ニアラボというコミュニティ内でママ会の幹事などもするようになっていきます。

「初めて幹事をしてみて、参加してくれた人が『楽しかった』っていう言葉をくれた時に、私自身も楽しかったから、またやってみようかなって思えるきっかけとなりました」

これは今までの人生ではありえないことだったと話します。ほんの少しの挑戦が、エリカさんに自信を与えてくれたようです。

とは言え、実はニアラボも最初の1ヶ月でやめようと思っていたそう。

「どう使うかは自分次第。見る専で終わるかもしれない。でもとりあえず1ヶ月は在籍してみようって思って始めたんです」

それが、あれよあれよと気づけば2年の月日が経っていました。

それは「楽しいかも」って思えたほんの少しのきっかけから続けることができた。息子さんにも「色んな人がいて、人と関わることは素敵なことだよ教えたい」を話します。

一歩踏みだす勇気。スモールステップ

今は、少しずつ事業の立ち上げに向けて色々と考えているエリカさんの挑戦。

今はハンドケアという事業を立ち上げようとしています。

「本来うちの家計状況的に働きに出なきゃいけないんですけど、自分には育児、家事、仕事の両立は難しいのではないかと思っていたこと、そして、お迎え要請が来た時に、誰も悪くはないのに謝らなければいけない風潮がある職場もあるかもしれない。そう思った時、自分には耐えられないと思って、まずは息子が3歳になり幼稚園に行ってから何かできないかなと考えていたんです」

そうして息子さんが幼稚園へ入ったタイミングで、少しずつ準備を進めます。

ハンドケア、という事業に目を向けた理由としてエリカさんはこう話します。

「本当はネイリストをやりたいという気持ちもあったのですが、人の人体を相手にお金をいただくリスクとかいろんなこと考えたら自信が持てない。けど諦めきれず…もっと頭を柔らかくして考えた時にハンドケアならできるかも!手荒れに悩んでいる人がいる。これなら自分が救えるかもって思ってやろうと思ったんです」

そこから、メニューを考え
間借りさせてもらう場所を決め
少しずつ、少しずつ準備を整え、ついに実際にお客様を呼んでのモニター施術もスタートしました。

それでもたくさんの葛藤がありました。

手にお金をかける意味とは?
自分自身はもともとネイリストをやっていたからこそその大切さはわかるけれど、ハンドケアにお金を出したいという人がいるのだろうか?そういう人たちにどうアプローチしていけば良いのだろうか?

そんな不安を抱えたまま、モニターを募集し、実際の施術もスタート。

実際の施術風景

モニター募集は、エリカさんも所属するこのニアラボ内で声をかけ、集まってくれたメンバーに施術。

「知っている人をモニターにできる安心感とプレッシャーがありました」と振り返るエリカさん。

いつだってまっすぐ、誠実だからこそ、ドキドキ感とプレッシャーと、不安という葛藤が心の中にあったのでしょう。

こうして一歩、スモールステップを踏み出したエリカさん。一歩踏み出した先にしか見えない世界を、仲間の背中押しのおかげで見れたのではないでしょうか。

39歳、中卒。

過去の経験が、今のエリカさんを作ってくれている。

過去に縛られすぎずに
専業主婦だからとか
自分は母親だからとか
学歴がどうとか
年齢がどうのこうのとか
いろんな理由を考えて踏み出せなかったりするけれど、挑戦することに立場とか学歴とか年齢や性別は関係ない、と力強く語ります。

「中学卒業して、つい最近まで中3だった子が大人と働くって本当に大変だったんです。学歴がない分、経験を積むしかできなかった。ラーメン屋の洗い場、コンビニ、お弁当や、販売惣菜とか、パチンコ屋、ペットショップ、バー、ネイリスト、お菓子屋さん、倉庫、仕分けの仕事…本当にたくさんやってきました」と笑うエリカさん。

そんなエリカさんが言えることは「いくつになっても挑戦する権利は誰にでも与えられている」ということ。

挑戦するのは勇気がいること。

まわりを見て「うらやましい」と思うのではなく、失敗してでもいいから小さなことから始めてみる、それが大事、と話します。

「私自身、学歴コンプレックスはないけどもしかしたらこれを読んでる方で学歴がコンプレックスだったり引っかかって1歩踏み出せない人に勇気を与えたい!」そう強く話してくださいました。

もし何かしてみようかなと、迷っている人がいるのであればまずは小さな目標をたててやってみてはいかがでしょうか。

エリカさんが過去にたくさんの職業を経験して、いろんなことを積み上げてきたようにいきなり大きく出てみるのではなく、まずはタネまきから始めるといいのかもしれません。

エリカさん自身も、ママ会を企画してみたところから喜んでくれた人がいて、続けてこれた。そして、ママ会で出会った人たちが、エリカさんの挑戦を応援し、モニターとして協力してくれた。人生、何が種まきになっているかわからないからこそ小さな一歩が挑戦への道に繋がっている

ママになってから人生変わる力「実験力」…小さな種まきから始めてみよう!何が種まきになるかは分からない。だからこそ、今目の前に「ある」ことに全力で取り組んでみよう。

インタビュー日:2025年6月
ライター:りさこ

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